
サピエンス全史(下) 文明の構造と人類の幸福 サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福
- 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/09/16
- メディア: Kindle版
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資本主義・科学・宗教がヒトの生活をどう変えたか教えてくれる。本書で述べた歴史観の評価と、今後の展望でしめくくられる。
歴史上の出来事の個別事情ではなく、全体としてこういう傾向になったから当然結果はこうなりましたとズバズバ説明していくのが楽しい。一文が短く過去形で言い切る文体で文章が読みやすい。
面白かった点
- 資本主義は、利益がでたときさらに利益を出せるように投資する。資本主義と科学が合わさると相乗効果でどんどん拡大する。
- 科学は、投資さえすればガンガン発達して事実上無限の発展をもたらす。
- このまま科学が発達すると地球史上初めて生物学的な革命が起きる。新たな認知や欲望をもつ全く別の生物を作り出すかもしれない。
- 上巻に比べると現代の記述がすごく増えた。上巻は評価の全てが相対的だったけど、下巻は現代の価値観によった記述がいくつかあった。
- スペインやオランダのコンキスタドールによる中南米支配の話が血湧き肉躍って楽しかった。
- 本書で述べた歴史観の評価をする章では、人類史通しての幸せを定量化して評価できるのか考察する。人は幸せになったのか?不幸せになったのか?アンケートで調査することなどを検討するが、幸せは相対的なものだし、生化学的に定量が決まっているという。
- 著者の専門はマクロ歴史学とある。個別の出来事を抽象化して歴史の流れを有り体に説明していくので、概要をつかむのに良いジャンルだと思った。
- 人間以外の動物に優しくしようという価値観が推されていて、調べてみると著者はヴィーガンらしい。
- もうちょっと知ってみたいなと思ったのは以下。