藤原マキ『私の絵日記』を読んだ

私の絵日記 (ちくま文庫)

私の絵日記 (ちくま文庫)

最近調布に行く機会がわりとあった。調布といえば水木しげるつげ義春桜玉吉の漫画のイメージが強く、『無能の人』を読み返したり、素晴らしいつげ義春を散歩する(調布編)などを読んだ。その流れで本書を購入。団地の暮らしや1980年代の感じがよく出てて楽しかった。

宮本常一『イザベラ・バードの旅』を読んだ

イザベラ・バード日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)』を題材にした講義録。バードの本を数行抜き出して、色々解説してくれる。

元ネタになった本は数ページしか読んでなかったけど楽しめた。本に書かれた数行の記述の背後には膨大な知識や事象が隠れているんだなあと思った。

読書についてのメモ

物心ついてから年に2,3冊の小説を読むか読まないか程度の読書量で、もうちょっと本を読んだら人生が豊かになるかもしれないと思い、月に2冊は読むことにした。それが今年の頭。それで年の後半になって目標達成が割とできるようになったので、メモ。

  • 読める本を探す
    • 文学書を読まない。
    • 要約できるジャンルの本は比較的読みやすい。
    • 装丁のダサさを気にしない。
    • Kindle の試し読みが読み終えられる本を探す。
      • 書店で立ち読みするとすべての本が面白く感じられるので注意。
      • 普段本を読む環境で試し読みする。例えば電車の中とか。
      • 試し読みを読み終えて、次のページが読みたくなったら買う。
    • 評判がよい本を探す。
      • 好きな人が好きな本を探す。
    • 知りたいことを知る。どんな些細な疑問、言葉にできなかった疑問も割と書いてある本がある。その疑問に名前が付いていることも多い。
  • 読みやすくする
    • スマホで読む
      • 片手で読める
      • 風呂で読める
    • 前書きと後書きと目次を最初にちゃんと読む
    • 複数冊を同時に読む
    • ちょっとでも面白いと思った文章に線を引く
  • 進捗を記録する
    • 読了率を把握する
    • 日々の読了率を記録する
    • 電子書籍の場合は、読んでる本を手に取ってみると、こんな厚い本ここまで読んだのか!ってなれて楽しい。

小説を2冊読んだ

死んでも何も残さない―中原昌也自伝

死んでも何も残さない―中原昌也自伝

ずっと愚痴が書いてあって気が滅入った。

夢と幽霊の書』ってワクワクする題名の本を立ち読みしていたら、解説に「この本は夏目漱石の『琴のそら音』で言及されている」って書いてあったので読んだ。ホラーと思いきやズッコケ話で楽しかった。

魚川祐司『だから仏教は面白い!後編』を読んだ

だから仏教は面白い!後編

だから仏教は面白い!後編

前編に引き続き読んだ。

上座部仏教の「悟り」は、修行を続けていると急に認知の転換が起こり、それのことを指す。もっと抽象的で生きてる間は成し遂げられないものだと思っていたので驚いた。

ブッダがやった悟りと、普通の修行者がやる阿羅漢の悟りがあり、この二つは別物という。ブッダの悟りは他の人も救いまくるみたいな悟りで大乗仏教が志向する悟り、阿羅漢の悟りは個人のもので上座部仏教的悟りだ。

悟った後の認知が転換された出世間の価値は素晴らしくて、普通の世界は苦しいし、お前はそれに気づいてないだけというのはイラつくけど、認知の仕方を改造して気持ちよくなろうというのは刺激的な考え方だと思った。

詳しくは『仏教思想のゼロポイント』を読んでね、とのことなので読んでみようかな。

架神恭介, 至道流星『リアル人生ゲーム完全攻略本』を読んだ

人生を神様が運営しているネットゲームだと見立てて、現代日本社会の状況と人生設計について教えてくれる本。

説明書パートと攻略本パートに分かれている。説明書パートでは幸福点を稼ぐことが人生の目的であることを教えてくれる。攻略本パートでは人生設計する上での前提知識を教えてくれる。前提知識とは、結婚や就職や親の介護などのライフイベントと、金融危機や戦争や地震などの生き方を一変させる可能性のあるビッグイベントの2つだ。

人生をネットゲームと見立てるのは出オチだと思った。攻略本パートの文体がちぐはぐしていると感じた。たまに「プレイヤー」や「日本サーバ」などのゲームっぽい用語が出てくるけど、人生設計において考えるべき出来事とリスクの一般論を真面目に語っているので、文体として中途半端な感じがした。

ブッダがバグを利用して歴代最高得点をマークしたプレイヤーとして書かれているのが面白かった。ちょうど魚川『だから仏教は面白い!』を読んでいたので、労働と生殖を否定しものごとの認知を改造していく仏教の方法はたしかにバグっぽいと思った。

魚川祐司『だから仏教は面白い!前編』を読んだ

だから仏教は面白い!前編

だから仏教は面白い!前編

原始仏教の基本的な考え方について対談形式で教えてくれる。原始仏教とは上座部仏教とかテーラワーダ仏教と呼ばれているものでゴータマ・ブッダが編み出し実践した思想・方法論のことだ。

  • 仏教"「労働」と「生殖」を放棄しろ" (Kindle 位置 363) という考え方を基礎として持っており、現実世界の役に立つことを志向していない。
  • 全てのものごとには原因がありその結果があり、その結果がまた何かの原因になり…の繰り返しで、常に変化している(無常/輪廻)。
  • 思い通りに振る舞える「我」は現実世界に存在しない。原因も結果もなく存在するものはない。(無我)
    • ただし無我は個人の認知機能の束である自己(経験我)を否定するものではない。自己も無常で輪廻して(常に変わり続けて)おり、無我と矛盾するものではない。
  • 無常かつ無我のため、ひとびとは満足した状態になれない(苦)。それをなんとかする方法とはなんだろう。以下後編?

労働と生殖の放棄というのに驚いた。「自然なものが一番」みたいな言説を真っ向から否定する態度だ。反社会的だし生き物としてなかなかやばい考え方だと思った。仏教の始まりは現世利益とは相容れないものだと知った。

輪廻の考え方についてはよくわからなかった。輪廻とはある主体(なんか魂みたいなの)が生まれ変わりをするという意味ではなく、原因と結果の積み重なり続けていること自体のことを指すという。でも、だとしたら解脱をこころみる自己というのはなんなんだろう?と思った。インドでは伝統的に輪廻に対するリアルな感覚があるらしい。

読んだきっかけは、高村『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ』を読み高村氏のブログ記事で本書の著者による別の本が紹介されていたので面白そうだと思ったからで、けど多分読みきれなそうだったので、簡単に読めそうな本書を読んだ。