ハラリ『サピエンス全史 下』を読んだ

上巻はこっち

資本主義・科学・宗教がヒトの生活をどう変えたか教えてくれる。本書で述べた歴史観の評価と、今後の展望でしめくくられる。

歴史上の出来事の個別事情ではなく、全体としてこういう傾向になったから当然結果はこうなりましたとズバズバ説明していくのが楽しい。一文が短く過去形で言い切る文体で文章が読みやすい。

面白かった点

  • 資本主義は、利益がでたときさらに利益を出せるように投資する。資本主義と科学が合わさると相乗効果でどんどん拡大する。
  • 科学は、投資さえすればガンガン発達して事実上無限の発展をもたらす。
  • このまま科学が発達すると地球史上初めて生物学的な革命が起きる。新たな認知や欲望をもつ全く別の生物を作り出すかもしれない。
  • 上巻に比べると現代の記述がすごく増えた。上巻は評価の全てが相対的だったけど、下巻は現代の価値観によった記述がいくつかあった。
  • スペインやオランダのコンキスタドールによる中南米支配の話が血湧き肉躍って楽しかった。
  • 本書で述べた歴史観の評価をする章では、人類史通しての幸せを定量化して評価できるのか考察する。人は幸せになったのか?不幸せになったのか?アンケートで調査することなどを検討するが、幸せは相対的なものだし、生化学的に定量が決まっているという。
    • 仏教では、幸せを求めると感情が揺れ動いて辛いからそうならないように修行するする。
    • 幸福度はセロトニンの分泌量によって決まり、その上限は生物学的に限られているので、時代を通じてヒトの幸福度は変わらない。また分泌量には個人差があり、セロトニンをよく分泌する脳を持った人はどんな時代でもだいたい幸せだし、そうでない人はだいたい不幸せ。
  • 著者の専門はマクロ歴史学とある。個別の出来事を抽象化して歴史の流れを有り体に説明していくので、概要をつかむのに良いジャンルだと思った。
  • 人間以外の動物に優しくしようという価値観が推されていて、調べてみると著者はヴィーガンらしい。
  • もうちょっと知ってみたいなと思ったのは以下。