架神恭介, 辰巳一世『完全教祖マニュアル』を読んだ

完全教祖マニュアル (ちくま新書)

完全教祖マニュアル (ちくま新書)

  • 教祖の成立要件は以下の二要素です。つまり、「なにか言う人」「それを信じる人」。そう、たったのふたつだけなのです。(kindle位置 84-86)

  • 教祖は一体何をするものなのでしょうか? この答えは簡単です。教祖は人をハッピーにするお仕事なのです。(kindle位置 104-105)

宗教団体を運営するという視点から、信仰を持つことや宗教的な行いをすることで信者が得ている精神的な利益をくだけた文体で明らかにする。どれも身もふたもない論理で、それだけ説得力がある。知ってる人にとっては当たり前なんだろうけど門外漢にとってはいちいちひっかかるポイントを教えてくれる。「ハッピーになる・する(報酬を得る)」ためになぜそれをするのかということは、すでに知っている人にとっては感覚的に理解されているのでなかなか文章にされない。この本はまさにその部分が書かれている。実際に読むとこんなの当たり前じゃんってなるのだが、それがよかった。文体が独特で、面白くて勉強家の先輩の話を聞いてるみたいな気分になる。

この本のテーマとはあんまり関係ないけど、飯を一緒に食うとコミュニティが強化されることについてもっと知りたくなった。食に関する教義を厳しくすると同じ教団の信者以外と食事するのが難しくなり(食えないものがあるから一緒のレストランには入れなかったりする)、同じコミュニティで飯を食うことが多くなり、コミュニティの結束が強くなるという。たしかに、いまの日常生活でも飯食うことは集まりの基本単位だ。ここら辺のこと書いてある本ないかな。共食っていうらしい。以前この記事を読んで共食って面白そうだなと思ったので、いつか読んでみようと思った。

読んだきっかけは、学生の時に友人の音楽サークルからパンクマニュアルへのリンクが貼られており気になっていたからだった。同作者の聖書についての本も買ってみようと思った。