木下是雄『理科系の作文技術 リフロー版』を読んだ

理科系の作文技術(リフロー版) (中公新書)

理科系の作文技術(リフロー版) (中公新書)

「理科系の仕事の文書」を書く際の心得を教えてくれる。「理科系」というものの、情報(=事実と意見)を正確に素早く伝えるための作文技術なので、ビジネス文書を書くのにも役に立つ。この本自体がその心得にのっとって書かれているので、例文集にもなっている。解釈の余地を残さないように書かれた文章を読み進めるのは気持ちいい体験だった。

また、良い文章とはなにかという一つの評価基準知ることができた。私はいままで「文章の美しさ」「良い(悪い)文章」が何を指しているのかわからず、「これは美しい文章だ」とか「うまい文章」とか書かれているのを読むたびにひっかかっていた。内容以外の点で、文章の良さとはなんなのだろう?と思っていた。筆者は小説や戯曲など「心情的要素」を含む文章の作成は想定していないとしているけど、文章の評価基準を手に入れたことは今後小説などを読む上でも役に立ちそうだ。

パソコンが一般的に使われるようになる前の本だが、情報の検索性を高めることに敏感で感心した。たとえば手紙を書くときに本文中にも封筒に書く情報を書いておいてファイリングする際の手間を省かせる、など。研究室とかだと昔から検索性に気を使っていたのだろうか?

意見と事実をきびしく区別してわかるように書け、と言う通り、急にエモくなる部分があって興奮した。

良い説明文の例として、野崎昭弘の『とらんぷ ひとり遊び85選』をあげていて、読みたいと思った。

トランプ―ひとり遊び88選 (朝日選書)

トランプ―ひとり遊び88選 (朝日選書)