ハラリ『サピエンス全史 上』を読んだ

ヒト(ホモサピエンス)の生物学的な特徴と、生物学的でない特徴をいろいろ教えてくれる。

もともとヒトは死体の骨髄をすするのを得意にする動物だったけど、後天的に獲得したいくつかの技術のおかげで、生活を大きく変えた。いくつかの技術とは、現実世界に存在しない抽象的な目的や文脈(神さまとか)を共有する方法や、数を記述する方法、食料を生産する方法などだ。これらの技術によりヒトは大きな集団としてまとまって行動することができるようになり、他の大型哺乳類を圧倒的するようになり、生活を大きく変えていった。

思春期のころ、「本当の〇〇」「本当に〇〇」とはなんだろう、ということをよく考えていた。例えば「本当に音楽が好きとはどういうことか?」とか、「本当の意味で良い生活とは何か?」などを考えていた。そうすると結局は生物としての喜びしかないんじゃないか?というところにたどり着いて、生物としての「自然」と「不自然」の境目はどこなんだろうということが不思議になり、全てのやる気が失われている時期があった。この本は、その境目はどこかを明らかにしてくれる。ヒトがこんなアホみたいに複雑な思考や行動や生活をおくるようになった理由をひとつひとつ、骨髄をすすっていた時代から農業を営むようになり、専門的な仕事に従事するようになるまでを段階を追って教えてくれる。

本全体としても面白いが、豆知識としても面白い話がいっぱい出てくる。私が特に面白いと思った話題は以下。

  • 人類最大の発明の一つは有限責任
  • 生物学的に可能なことは自然である
  • 書記法は数を管理するために生み出された
  • 自然な親密な関係による組織の規模は150人が限界
  • 農耕は、人口を劇的に増やしたが、個々の幸福度を下げた

特に生物学的に可能なことは全て自然である、という言に感動した。非常に暴力的な言葉だが、確かにと思った。